猛威を振るったウイルス
過去に例をみないほど強力な感染力を持ち、甚大な被害を世界的にもたらしたのは「Gumpler(ガンプラー)」というウイルスでした。
ガンプラーは「GENOウイルス」とも呼ばれており、有名なパソコン通販サイトから発生が拡大していったことからこの名前がつきました。
ガンプラーの感染が広く認知されるようになったのは2009年のことでしたが、当時はパニック状態にもなっていた各企業も、今ではすっかり落ち着いてしまった感じがあります。
ガンプラーはすでに収束されたウイルスではありますが、そのしくみを簡単に説明していくと、まずガンプラーウイルスに1台のパソコンが感染したとき、そのパソコンで管理を行っていたWebサイトの内容を改ざんして、そのサイトを閲覧したパソコンが新たに感染するようなプログラムを植え付けます。
ウイルスの被害と原因
そのためサイトを見た他のユーザーが次々と感染していき、同時に他のWebサイトにも閲覧しただけで感染するプログラムが見られるようになっていきました。
感染したパソコンにはバックドアという外部から操作できるようになってしまう仕掛けが埋め込まれたり、そのパソコンが閲覧しているWebサイトを探ってGoogleの検索結果を操作したりといったことが行われたのでした。
確かにガンプラーは非常に感染力の強い悪質なウイルスではありましたが、それでもここまで急速に感染が拡大した理由として、企業の多くがきちんとウイルス対策をしていなかったということも関係しています。
実際、ガンプラーが拡大した時期においてもきちんとウイルス対策ソフトをインストールし、定期的に更新やスキャンをしていたパソコンは感染をせずにすみました。
全く新しいウイルスに対しては間に合わないこともあるものの、ガンプラーのように悪質さが素早く伝達したような場合にはウイルス対策ソフトはすぐにワクチンを作成するので、冷静に素早く対処をすれば特に被害が起こることはないのです。
ウイルスに感染しないために
ウイルス対策といっても特別に難しいものではなく、とにかくウイルス対策ソフトをネットワーク上すべてのパソコンに導入し、定期的にチェックをするようにするだけでも効果があります。
しかしこれだけ被害の大きさが伝えられているにもかかわらず、多くの企業が対策ソフトを入れていなかったり、インストールしていても更新をしていなかったりするのが現状です。
被害が出てから後悔をしても代償が大きくなりすぎます。早めの対策をしましょう。