大量の個人情報の悪用
2012年に大量の個人情報が悪用されてしまったthe movie事件が発生しました。
これはとあるIT関連会社で情報流出を促進させるアプリの開発を作成しようと社員が発案して、
それに社長が同意したことによって起きました。
携帯端末のアドレス帳の中にあるすべての個人情報を抜き取ることができる
アプリを作成することに成功してしまったのです。
そして、アイフォーンの人気ゲームのアプリ名の後ろに
the movieと付け加えて、これを配信しました。
情報流出アプリが組み込まれているアプリをダウンロードした方は9万人いて、
その中からすべて合わせて1183万件もの個人情報が流出してしまい、
出会い系サイトの勧誘に悪用されてしまったのです。
その結果、2012年10月13日にはこのアプリの制作や配信に関与した社員が逮捕されました。
スマートフォンを使った個人情報大量流出について初めて日本で立件されたケースです。
アプリをインストールする時には同意画面が表示されて、
そこには連絡先データの読み取りという項目が含まれていたため、
弁護士は個人情報を読み取れることができると利用者は認識できるはずだと主張しました。
そして、結局逮捕された5人は嫌疑不十分となってしまい、不起訴処分になったのです。
明らかに逮捕された社員達は個人情報を抜き出す意図があったと考えられるのですが、
実際に起訴することは難しいと証明されてしまいました。
ソフトをインストールする際の同意画面をきちんと読んでおかないと、不利になってしまうことがあるのです。
これからもこのthe movie事件と同様の事件が起きる可能性は非常に高いといえるでしょう。
個人情報流出への対策
the movie事件によってスマートフォンでも個人情報流出の危険性があることが認識されるようになりました。
基本的に対策としてはパソコンの場合とそれほど変わりません。
不用意に怪しいソフトをインストールしないことが大切です。
また、同意画面に書かれている文書はほとんどの方が読まないのですが、
少しでも怪しい会社が出しているソフトであれば、きちんと文書は読んでおくべきでしょう。
インターネット上で情報を集めて本当に信頼できる会社やソフトであるのかを判断することも大切です。
きちんとウイルス対策ソフトを導入しておくことも必要でしょう。
不正アプリをインストールすることさえしなければ、基本的には安全です。
今回の場合は有名なゲーム名にthe movieという名称が付されていたために、
勘違いした方が続出しました。
このような手口は頻繁に行われているため、あなたが本当にインストールしたいゲームなのかどうかを確認しましょう。
ゲーム名に少しでも違和感がある場合は、それはひょっとしたら違うゲームの可能性があります。
不正アプリを少しでも拡散させるために色々な工夫をしているのです。